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性的少年 3

 僕は家では明るい。家は楽しい。家だと僕にカバンを持たせる人もいないし、僕の食事を横取りする人もいないし、見て見ぬふりをする人もいない。僕は学校では暗い。学校はつらい。でもテストの点数もあらかた高得点だし、通知表の成績もなかなかのものだ。それでも「学校」は楽しくない。きっと、勉強ができなくて成績は悪くても、友達がいっぱいいて休み時間や放課後を愉快に過ごしている人のほうが「学校」を楽しい、と感じていると思う。 
  僕は家ではよくしゃべる。でも学校であった話はしない。したとしても、今日授業でこういうことを習ったとかテストがどうだったとか。親に心配かけたくないから、冗談も言うし学校で流行っている芸能人のギャグやモノマネも披露する。
  家での僕と学校での僕。どっちも本当の僕ではないような気がする。家での僕が本当の僕かと思いきや、意外とそうでもない。
  お兄ちゃんは中学生活が楽しそう。お姉ちゃんも高校生活が楽しそう。僕の小学校生活は楽しくない。でもきっと楽しそうに映っている。
  家に帰ると、甘い物をゆっくりと味わいながら食べる。
  「また甘い物食べて。今日給食でも出たでしょ?」
  僕が給食で食べられなかったことを知らない、少し怒り気味のお母さんに、
  「いいじゃん、おいしいんだもん」
  と言うと、
  「ひと口ちょうだい」
  と言ってきた。僕は瞬間的に、
  「だめだよ!!」
  大声を出していた。だって、つらいことを乗り越えてやっとたどりついた、やっとありつけたデザートなんだ。   
  お母さんは「なに真剣になっているのよ」と困惑した顔をしている。僕はしまったと思い、「冗談だよ冗談」と心配をかけないようにしたら、「今日学校どうだった?」って聞いてきたから、「楽しかったよ」って答えた。
  僕がすごいのかそれともお母さんがにぶいのか、お母さんは僕の嘘をなかなか見破らない。



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