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かてきょ 2

 「こんばんは、つよし君」
  「うん」
  つよし君は元気なさげに答えます。それとは対照的に、小川先生はエネルギッシュです。
  「今日は数学だね。じゃあ宿題の答え合わせからやろうか。はい、じゃあテキストの61ページ開いてー」
  元気な小川先生の声に、つよし君は仕方なくテキストを開きます。小川先生が問題文を読み上げます。
  「えー、問2。A君は歩いて町へおつかいに出かけた。忘れ物に気がついたお父さんはA君が出発してから9分後にA君を追いかけた。A君の歩く速さは分速80m、お父さんの自転車は分速200mである。お父さんは、追いかけ始めてから何分後にA君に追いつくか。ね、えー、何分後に追いついた?」
  「わかんない」
  つよし君は少しふてくされ気味に答えました。
  「ちゃんと宿題やったか?」
  小川先生はつよし君を問い詰めます。つよし君は相も変わらす、ふてくされ気味に言います。
  「やってない」
  これには小川先生も少々語気を荒らげ、
  「だめじゃないかっ、ちゃんとやらなきゃ」
  つよし君も負けてはいません。
  「だって僕、数学嫌いなんだもんっ。数学なんか将来何の役にも立たないじゃん」
  「そんなことないよ。それに、これはそんなに難しい問題じゃないぞ」
  小川先生は、噛んで含めるように言いました。しかしつよし君は、
  「A君が忘れ物なんかするからいけないんだ。忘れ物なんかするからこういうことになるんだ」
  と、論理をすり替えて食ってかかります。
  「こんなの何分後に追いつこうが関係ないよ」
  「おい」
  「こんなの何分後でもいいよ。一生追いつかないよっ」
  「おい! いいかげんにしろ!」
  小川先生はつよし君の胸ぐらを掴んで怒鳴りました。普段は優しい小川先生が、とうとう爆発しました。いつもの小川先生とのギャップの大きさも相まって、つよし君はかなり驚いています。
  「こんなの一生追いつかないだあ? 何分後に追いつこうが関係ないだあ? ふざけるな!」
  次の瞬間、小川先生は衝撃的な一言を放ちました。

 「この文章題はなあ、本当にあった話なんだ!」



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